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小茅山で輝く藍色の星『エヒメアヤメ』。天然記念物の自生アヤメの開花を防府市西浦で満喫♡

【西浦エヒメアヤメ自生南限地帯】

このお店をおすすめする人

REA編集部

塚田

防府市西浦で、天然記念物の自生地帯に咲くエヒメアヤメの一般公開がありましたので行ってきました。エヒメアヤメは別名イッスンショウブと呼ばれるように、とても小さくて可憐な花を咲かせます。藍紫色の花びらは、傾斜地に落ちている星のようでもありました。かつて日本列島が中国大陸と地続きであったことを示す植物学的に重要な証拠であるエヒメアヤメの存在は、防府が誇るべき貴重な天然記念物でもあります。

エヒメアヤメの南限自生地がある防府西浦で一般公開




防府市の西浦において、エヒメアヤメの南限自生地の一般公開が行われていましたので、取材に行ってきました。



今年平成最後の開放期間は、4月6日から15日まで、見学時間は9時から17時まででした。ただし入場は16時30分までですので注意してください。



防府市教育委員会教育部文化財課の説明によれば、エヒメアヤメは拡散力が弱く、自生のスピードが遅いことから、日本列島がかつて中国大陸と地続きであったことを示す植物学的な証拠として貴重なものとされています。



拡散力が弱い理由は、エヒメアヤメの種子はアリによって運ばれるために、生育の範囲はすぐには広がらないのです。



このためエヒメアヤメは国の天然記念物に指定されています。指定されたのは大正14年10月8日なので、ずいぶん前から国の保護を受けているのです。





エヒメアヤメの自生地帯はこの防府西浦のほかには、下関の旧豊浦町、広島県の三原市、愛媛の松山市旧北条市、佐賀市、宮崎県の小林市にあります。



防府のエヒメアヤメ自生区は、防府市西浦の佐波川河口の田島山南西端の1カ所を指します。



マツダの防府工場がある瀬戸内海が見渡せる風光明媚な小高い山、通称小茅山(こがややま)にあります。





小茅は前ヶ浜塩田の塩を積み出す港として、北前船で賑わったそうです。




そこに小茅山と呼ばれる小高い山があり、エヒメアヤメはその傾斜地の一角にひっそりと咲いています。




昔はこの山全体にアヤメが咲いていたそうですが、今ではこのフェンスに囲まれた一角だけになっています。




小さな山ですので、ハイキングコースとしてもおすすめです。



初めて車で行く際には少しわかりにくいかと思いますが、途中で立て看板が立っていますので、その指示に従っていけば、無事たどり着くはずです。



自分は防府駅からの道すがら迷ったので、途中に出会った防府市の役場の方に教えてもらってなんとかたどり着きました。




自生区は山の中腹にあり傾斜地になっており、雨が降ると滑りやすいので長くつなどそれなりの準備が必要になります。





入り口では記念切手も販売されていましたが、その写真はすべて保護会の方が撮られたものです。




「エヒメアヤメ」の名前の由来

エヒメアヤメと、”エヒメ”の名前がついているのは日本では最初に明治時代に愛媛県で発見され知られたからです。



別名タレユエソウ(誰故草)とも呼ばれます。



誰故草というのはもともとある和名でしたが、牧野博士が”エヒメアヤメ”と命名したために、この名前は一般にはエヒメアヤメに隠れるような形になっています。



博士も後で気が付いて、改めて誰故草を和名として申請しなおしましたが、残念ながら時すでに遅く、認められなかったという経緯があります。




この他、ヒメアヤメ、イッスンショウブなどの名前もあります。



エヒメアヤメは昔は結構な範囲で咲いてくれていたようですが、徐々にその姿が減り始め、絶滅に近い状態まで追い込まれました。



しかしそこから有志の方々のご努力で、現在はその株数を少しづつですが着実に増やしています。




毎年夏と冬の2回にわたって指定地域内で雑草の刈り取りなどを実施しているそうです。




現在、指定地区内に約1700株の自生が確認されています。




エヒメアヤメは4月の初旬から中旬にかけて一気に咲き、せいぜい一週間ほどで散ってしまいます。



なので開花のタイミングが公開期間とすこしずれても、そのすべてを堪能することはできないのです。



自分は公開日の終わり近くに行けたので、比較的開花状況を楽しめたと思います。




エヒメアヤメの花の特徴

エヒメアヤメはとても小さい宝石のような花です。



花の直径は4㎝程、茎の長さは10cm前後、葉の長さは開花時で15~20cmの小型のアヤメになります。



色は藍紫色(あいむらさき)と表現されます。小さい分しっかりとした青色といった印象です。



一寸は3cm程度なので、イッスンショウブと呼ばれるのも納得の小ささです。



アヤメはたくさんの種類があり、その大きさによって一寸のほかにも3寸アヤメ、5寸アヤメなどもあります。



一番大きなものではハナショウブが直径20㎝ぐらいの大輪の花を咲かせます。



カキツバタなどもアヤメの一種です。



「いずれがあやめ、かきつばた」という言葉もありますが、どちらもアヤメ科アヤメ属のお互いに極めて近い種の花になります。



新芽が発見されると、目印と記念のために日時と名前のついたプレートを置いてくれます。




多くは観光客の方が見つけてくれるそうですが、雑草に隠れがちで竹の新芽と見間違うことも多くてなかなか見つけようと思っても難しいそうです。



なので見つけられた人はラッキーですね。



見つけ方のコツとしては、エヒメアヤメの葉は細長くて薄く、葉脈が2本走っており、この点がほかの草の葉と大きく違うところです。



花が終わると、葉はさらに伸びて30㎝以上になることもあるそうです。



エヒメアヤメのほかにも150種類といわれる多くの種類の花が咲いていましたので、アヤメ以外の花も楽しんでほしいと思います。



自生区ではまだ花が開いていないものも多く、最初は咲きごろを逃したかなと思っていたのですが、入り口におられた方からまだ咲きはじめだよと教えてもらいました。




それでも十分にきれいに咲いてくれたアヤメを堪能できたので、大変満足でした。




桜の季節の次に咲き始めますので、散っていく桜に哀愁を感じた後は、エヒメアヤメの可憐な花に癒されてほしいと思います。
西浦エヒメアヤメ自生南限地帯
住所
山口県防府市大字西浦小芧
営業時間
9時から17時
定休日
4月上旬~中旬以外立ち入り禁止
主な客層
観光客 市民
平均予算
不明
お問い合わせはこちら0835-25-2237