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周防大島で染め絵を描いて半世紀以上、岡本職人の指導で武者絵塗り絵体験

【岡本染工場】

このお店をおすすめする人

REA編集部

井上 塚田

海とみかんと太刀魚(たちうお)の島、周防大島(すおうおおしま)には岡本職人が親子二代にわたって染め絵を続けてこられた岡本染工場(そめこうば)があります。今回、その染工場で行われている染め絵体験を受けに周防大島にやってきました。染め絵は最初は難しそうでおっかなびっくりで描き始めましたが、そのうちに夢中になってしまいました。配色で悩みますが、そこが一番個性が出るポイントです。後日岡本さんが顔の部分を描いてくれて仕上げてくれます。周防大島は海の透明度が本当に高くて美しい島でした。

太刀魚とみかん鍋の島『周防大島』で昔ながらの染色体験


配色で個性が出る武者絵の塗り絵体験

周防大島で半世紀以上にわたって手書きの染め絵を描き続けてこられたのが、岡本染工場(そめこうば)の岡本さんです。

 

今回は実際に染色体験に申し込んで体験してきました。

 

ここで染めるのは岡本さんの下書きが入った武者絵です。

 

武者絵は源義経、武田信玄、豊臣秀吉、などの戦国武将などの歴史的故事を岡本さんが取り上げて図柄にしたものです。

 

今回は六文銭の真田幸村と愛の文字の兜で有名な直江兼続の下絵をいただきました。


染色体験はまずレクチャーから始まります。


米ぬかともち米で作った塗料を使って描いていくのです。


あらかじめ用意していた下絵に、簡単に色の付け方たを実演していただきます。薄い染色の上に濃い染色をのせてグラデーションにすることで、立体的で美しい仕上がりになるそうです。


なのでまずは薄く色づけするところから塗っていきます。


筆だけでなく、人差し指の先を使って押し広げるように色を伸ばしていきます。

 

さあ実践。

 

19種類の染料を目の前にすると、まずどの色をベースとするか、どこから色付けをするか考え、手が止まってしまいます。

 

大体のイメージが固まったら、あとは感性。筆と指を使い、好きな色で下絵を飾っていきます。

 

同じ色ばかり使っていては華やかさに欠けてしまうので、グラデーションを出しながら塗りますが、色の配置を考えるのは難しく、そこが一番四苦八苦しました。


目の前には壁一面に岡本さんが描かれた武将の絵があり、配色の参考にすることも。


染色体験を始める前に、修学旅行で体験に来た子供たちの染色を見せてくいただきましたが、どの絵も美しく出来上がっており、選択した染料や配色によってこれだけも個性が現れるのかと、大変面白さを感じました。

 

ベースとなる下絵に、色付けの染料を塗っていくので、その工程は難しくはありません。


ですが「次はどのいろにしよう?」と考えながら色付けしていると、あっという間に時間が過ぎるほど夢中になっていました。


最後は縁に色付けを。武将の絵がキリッと引き締まりました。


時間は個人差がありますが、大体3時間ほどで仕上がります。


人によっては一日かけて、昼食をはさみながら描き続ける人もおられるそうですよ。


色は19色もあるので合わせると微妙な色合いも出すことができます。

 

この塗り絵の個性が現れるのは色の選択になります。

 

武者絵は鎧の鎖帷子が細かくあるので、そこをどのように描くかが一つのポイントになってきます。

 

岡本さんが描く本物では金箔も使いますが、塗り絵では高くなるので使いません。その代わり黄色などを使って描いていきます。

 

親父さんの後を継いで中学生のころから絵を描き続けているベテランの岡本さんであっても、顔に目を入れる作業は緊張するそうです。

 

目を入れるのは染め上がりの最後なのですが、まさにこれに失敗すれば「画龍、点睛を欠く」ことになる大事な作業です。

 

染め体験では顔は自分では描かないので岡本さんが描いてくれるのですが、それだけ顔の部分は大切なんですね。


後日、岡本さん自身が顔の部分を描き入れてくれた武者絵を送ってくださいました。


絵を広げてみるとやっぱりプロの仕事、顔に色が入って全体がキリッと引き締まって、とても立派なものに仕上げてくださいました!



周防大島とともに60年近く描き続けてきたベテラン職人


昔は細目のきりっとした感じの、ある意味きつめの顔を描いてたそうですが、今はもう少しやわらかい表情で、目も幾分か丸く大きくなっているようです。


ぬかを落とすためには洗いの工程が必要になりますが、現在は室内の水槽で洗っています。

 

昔は海でも洗ったことがあったそうですが、ぬかを求めてカニやチヌなどが寄ってきたそうです。

 

カニがせっかくの絵を破ってしまうのでやめてしまったそうです。

 

川でも洗ってみたそうですが、残念ながら水質があまり良くなかったために、結局水槽で洗うことになりました。


 

時代の流れのなかで、プリント技術が発達して簡単にコピープリントできるようになると、手書きの塗り絵は衰退していきました。

 

今では山口でやっているのは岡本さん一人になってしまったそうです。中国地方ではもう岡本さんのほかは福山でおひとりがやっているだけだそうです。

 

そのため今は受注数は少なくなっているものの、全国から注文がきますが、特に山梨などからの注文が多いそうです。


プリントは近くで見るときれいにみえるそうですが、手書きは遠くで見るときれいにみえるそうです。

 

手書きの良さは職人魂で常に進化を続けることです。

 

いいところは残し、不満なところは次の改善に生かす、その繰り返しなのです。

 

しかし時代の流れには逆らえません。

 

昔は新しい船の進水式では大漁旗も新調したものですが、今は不景気もあってそういうことはないそうです。

 

さてこのように塗り工場では大量の水が必要になるのですが、周防大島と本土を結ぶ大島大橋が巨大貨物船と衝突した際に損傷したことで、島への水の供給が滞りました。

 

このため岡本さんも大変苦労されたそうです。

 

緊急に川から水を汲みだすポンプ設備を動かす発電機が必要になったのですが、地元のお店では手に入れることができず、知人から広島の六日市で唯一あったものを購入したそうです。

 

岡本さんは工場の2階で民宿ラメール(フランス語で海の意味)も営まれていますので、トイレなどお客さんへの対応も大変だったそうです。

 

そのため民宿のお客さんは近くのホテルに移ってもらったそうです。

 

そんな民宿の前には厳島神社(いつくしまじんじゃ)があります。


このため毎年旧暦の6月17日には海上交通の安全と商売繁盛を願う管弦祭が行われます。

 

この日は花火大会など地元の人たちが集まるお祭りがおこなわれるそうです。


周防大島を訪れる予定の方はその時期も検討されてはいかがでしょうか。

 

海と太陽に彩られた周防大島郡の屋代島

 

今回初めて周防大島を訪れたのですが、とても海の水がきれいなことに驚きました。


周防大島は瀬戸内海では淡路島、小豆島についで大きな島です。

 

一言で周防大島といっても正確には大島郡は一番大きな屋代島とその周辺に位置する5つの有人島と25の無人島からなります。


このため屋代島のことを周防大島と外から来た人は思いがちです。

 

屋代島は片側を国道が、もう片側を県道が走っていますが、一周しようと思えば車で一周できます。

 

一周はちょうど100キロ程度なので、サイクリングを趣味にしている人はお勧めのサイクリングコースになりうる行程だと思います。

 

近くには今や日本の代表的なサイクリングロードになったしまなみ海道もありますし、淡路島、小豆島、周防大島と瀬戸内海を代表するサイクリングロードになってほしいと思います。


周防大島の名産品といえばみかん鍋や太刀魚の鏡盛りです。

 

大島は、山口県のみかん生産量の約8割を占めるみかんの島です。みかん鍋は島が誇る新鮮な魚介類と特産品のみかんを合わせた新しい郷土料理です。

 

周防瀬戸では、ほぼ一年中タチウオの群れが定着しているようで、瀬戸内海でも屈指の漁場となっているのです。


そのため瀬戸内海における太刀魚の漁獲量は過半数を超えているのです。

 

その太刀魚を使ってみかん鍋と同様に太刀魚の鏡盛りと呼ばれる創作刺身料理を考え出したのです。

 

そのほか素敵なカフェなども点在していますので、周防大島にお越しの際はチェックしていってほしいと思います。

 

岡本染工場
住所
山口県大島郡周防大島町大字西方下田1603−2
営業時間
不明
定休日
不明
主な客層
宿泊客, 観光客, 
平均予算
4000円~
お問い合わせはこちら0820-78-0173